水平の旅
Client:栗秋正寿さま
連載40日目です。今回は栗秋さんが「水平の旅」と称する 太平洋側のアンカレジから北極海側のプルドー・ベイまでのおよそ1400キロを 徒歩縦断している様子を描きました。
およそ多くの人々の人生にはあり得ない 1400キロの徒歩の旅。
これは どんな出立ちで歩いたのか 正直に説明するに限ると思って 『アラスカ 垂直と水平の旅』(刊/山と渓谷社・2000)に掲載されているカラーの写真2枚を合わせて 良いとこ採りで イラストに起こしました。
「JAPANESE CARIBOU」とリアカーに描いてあるのがお分かりでしょうか。
アラスカでの 彼のニックネームです。
ご本人曰く
「かの地アラスカでは、「クリアキ・カリブー」だけでなく、「カリブー」「虫歯のカリブー」「ジャパニーズ・カリブー」「マサトシ・カリブー」など「カリブー」をからめたニックネームで再三にわたって呼ばれてきました(笑)。そういえば『カリブー・栗秋正寿のマッキンリー』というRKBラジオ・ドキュメンタリーも、過去に放送されましたね」
とのことでした。
今更の告白なのですが・・・
今回の題字「クリアキ・カリブー」は 私の手描きした文字をデザインしたものですが、なんと、タイトルそのものも、私にお任せいただきました。
依頼を受けた当初は
「そんなところまで 私が決定権を握ってよいものか」
と、俄に信じがたくもありました。
彼、曰く
「これまでの50本の草稿は杣本さんしか知らないので(妻ですら読んでいません(笑))、イラストのカットやタイトルに添えるイラスト?なども踏まえて、杣本さんの好きなカタチに落ち着くことができれば、それがベストなのかなとも思っております。
それでは責任重大?でお困りでしょうか……(笑)。
杣本さんが描かれたいタイトルが一番しっくりくるかと思います」
とのことでした。
ここまで 伸びやかに仕事をさせていただけるものかと 感激し
同時に いかにも大自然を相手に活動される 栗秋さんの考え方に 脱帽したものでした。
西日本新聞のリンクはのちほど。