ふたつのデナリ
Date:10/2021
Client:栗秋正寿さま
連載33日目です。日本人でたった2人目となる冬季単独登頂を果たした1998年3月8日 まさにその瞬間の彼を描きました。
登頂した日本人の1人目は植村直己さんですが、残念ながら生還はしませんでした。
だから 栗秋さんが 無事 生還した時は アラスカでは「ナオミの旅を終わらせた」と称えられたそうです。
エッセイの中にあるように 涙が凍りついて 左目が凍りついて開いていませんし
長い山籠りで伸びた口髭にも 露結した蒸気が 凍りついていました。
登頂したら 喜びに浸って 山頂にしばらく滞在するものかと思っていたら そうではないそうです。
山頂は 天候が激し過ぎて ほんの数分間 滞在するだけとのこと(でしたよね!?)。
山の神様が許してくれた 人の存在を許す ほんの短い間です。
「え〜 じゃぁなんのために登るの〜?」
って 10年ほど前の私は 理解ができませんでした。
このシーンは ご本人が自撮りしたものが 現存していて
『山の旅人』(2020発行/閑人堂)で、ご本人のプロフィール写真として掲載されています。
西日本新聞のリンクはこちら。